ピアノ線

<JIS G3522>(SWP-)

ピアノ線材・SWRS(60~90カーボン)を疵取り後、熱処理(パティンチング)し、冷間伸線したもの。
硬鋼線に比べ不純物が少なく、ねじり回数・線径許容差等がシビアで疵深さ・脱炭層深さが規格されている。

  1. 1 ピアノ線A種 (SWP-A)

    硬鋼線が一般ばね用であれば、ピアノ線は高級ばね用に当る。
    A種はB種より靭性があり、厳しい加工に向く。

  2. 2 ピアノ線B種 (SWP-B)

    A種より引張強さが約10%高く、より高い許容応力とばねの耐へたり性に有効なため、
    B種が多く使用される。

  3. 3 ピアノ線V種 (SWP-V)

    弁ばね用で、疵深さと脱炭深さをA・B種より更に厳しく規定しており、耐疲労特性を考慮したもの。

  4. 4 高強度ピアノ線

    ピアノ線B種より更に高い引張強さに改善したもの。
    1) スーパーシックス
      ピアノ線B種より200~300MPa(10%強)、強度UP、線径Φ0.6~2.6(六甲金属)
    2) SWP-EX
      ピアノ線B種より300~700MPa(13~18%)、強度UP、線径Φ0.02~0.9(日鉄SGワイヤ)
    3) トスミクロンH種
     ピアノ線B種より400~700MPa(13~18%)、強度UP、線径Φ0.01~0.2(トクセン工業)

  5. 5 精密ばね用ピアノ線

    一般のピアノ線より線径公差、偏径差、線ぐせ等をシビアにしたもの。
    1) セイント&セイント−S&セイント−SG(日鉄SGワイヤ)
    2) スミファイン(住友電工)
    3) ヘキサファイン(六甲金属)

  6. 6 真直性ピアノ線(SWP-AS -BS)

    ピアノ線材をパティンチング処理し、伸線した後、真直処理を施したもの。(日鉄SGワイヤ)

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